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SES企業勤務2年目の平均年収はいくら?平均より自分が低い場合はどうすればいい?

SES(システムエンジニアリングサービス)企業で働き始めて1年が経過し、2年目に突入したエンジニアの多くが、「自分の給与は業界の相場と比べてどうなのか?」「このままの年収で将来は大丈夫なのか?」といった疑問を抱くことでしょう。本記事では、SES企業勤務2年目の平均年収や実際の口コミ、さらに年収を上げるための具体的な方法について詳しく解説します。自身の年収が思ったより低いと感じている方は、ぜひ参考にしてください。

目次

SES企業勤務2年目の平均年収はどのくらい?

SES(システムエンジニアリングサービス)は、ITエンジニアが顧客先に常駐することで技術力や専門スキルを提供する形態のビジネスモデルです。1年目のうちは研修や実務の習得で手いっぱいだった方も、2年目になると「年収が増えるのか」「同年代の平均はいくらなのか」が気になり始めることでしょう。ここでは、SES企業勤務2年目の平均年収について、複数の転職サイトや統計データ、口コミ情報をもとに概算を示します。

1 なぜ2年目が重要なのか

SESエンジニアは、最初の1年間で基本的な開発・テスト・運用の経験を積み、2年目からはより本格的な業務を任されることが増えてきます。つまり、報酬面でも1年目より多少の上乗せが期待できる時期とも言えます。

  • 1年目:研修や簡単なタスク中心、先輩のサポートが主
  • 2年目:基本的な開発プロセスを理解し、一通りのタスクを自走できるようになる
  • 3年目以降:チームリーダーや上流工程へのステップアップも見えてくる

このように、2年目はエンジニアとしての成長が期待される重要な時期です。

2 統計的な平均年収の目安

明確に国や政府が提示しているデータが存在しないものの、一般的にSES企業勤務2年目のエンジニアの年収は、おおよそ300万円〜350万円程度という声が多いです。以下にその内訳や根拠を述べます。

1.転職サイトのデータ

いくつかの転職サイトで「SESエンジニア」の条件で検索すると、想定のスタート年収(下限)が300万〜350万円の求人が多数見つかります。上限は800万円前後が設けられることもありますが、これから戦力化を担う2年目のフェーズとなると、全体平均では300〜350万円前後に落ち着きやすい傾向があります。

2.企業公開の給与テーブル

一部のSES企業が公開している新人〜2年目のモデル年収を参照すると、月給22万〜25万円程度+残業代・賞与でトータル300万〜340万円になるケースが多いです。

    3.口コミベースの平均

    転職サイトでの報告も参考になります。ばらつきが大きいものの、勤続三年目未満の方については、300万円台での年収報告がボリュームゾーンとみられます。

      もちろん、個々の企業や案件、個人のスキルによって幅はあります。高還元率をうたうSES企業やインフラ・クラウドなど高単価案件に入れる人は400万円以上もあり得ますが、それは決して多数派ではないというのが実情です。

      SES企業勤務2年目の給与に関する実際のクチコミ

      「平均年収300万〜350万」と言われても、自分の状況と比べてどうなのか具体的に知りたい方は多いでしょう。ここではSES企業勤務2年目のエンジニアが公開している口コミや口コミサイトの情報をいくつかまとめ、どんな実態が語られているのか見ていきます。

      ※あくまで複数事例の集合例であり、実際の口コミをそのまま転載したものではございません。

      クチコミ例

      Aさん(22歳、大卒1年目からSESで働き2年目

      年収:2年目の途中で昇給があり、年収320万円程度
      仕事内容:主にテスト工程と一部保守運用を担当。開発経験はまだ断片的
      不満:「周りの事業会社の同期が年収350万以上と聞くと、若干見劣りを感じてしまう。スキルアップしたいけど案件が運用系ばかり。まだ選べるフェーズではないのでもどかしさを感じる

      Bさん(24歳、専門卒からSES企業勤務2年目

      年収1年目は280万円、2年目は300万円をちょっと超えた
      業務内容:スマホアプリのテストやデバッグ中心。時々簡単な修正やコードレビュー補助も
      良い点:「リーダーが丁寧に教えてくれるので成長は実感してる。年収は低いけど、もう少し頑張れば昇給が期待できるという上司や営業の話を信じている。」

      Cさん(23歳、SES企業勤務2年目で早くも転職検討

      年収:280万円台から2年目で300万ちょっと。面接時に聞いてた還元率80%と説明が違う気がする
      不満:配属先が保守運用でスキルが付かない。資格取得して単価を上げたいが、会社がどの程度還元してくれるのか疑問。
      転職願望:「もう少し評価してくれる企業や、自社開発に移りたいと考えている。」

      上記のように、SES企業勤務2年目だと年収300万〜360万あたりの幅に集中している印象があり、「300~350万円がひとつの目安」といった推測が裏付けられる形です。

      SES企業勤務2年目に求められるスキルとは

      年次だけで年収が劇的に上がることはあまりなく、スキルの向上や業務範囲の拡大がカギになります。では、SES2年目にどのようなスキルが求められるのでしょうか?

      1 基本的な開発工程の自走

      SES2年目では、単独で詳細設計やコーディング、単体テストまでを自走できるレベルが期待されます。コードレビューを受けながらも、納期を意識して作業を完遂できると評価されやすいです。

      • 求められるスキルのイメージ:
        • 要件定義や設計はまだ難しくても、詳細設計~コーディング~テストをひと通り回せる
        • コードレビューを受けながらも、単独で機能実装ができるレベルに到達していると評価が高まる

      2 運用・保守のトラブル対応力

      トラブル時に原因を素早く特定し、ドキュメントを参照して対応できるかどうかもポイントです。1年目は「報告・連絡・相談」中心でもよかったものが、2年目からは「初動対応」まで担えると重宝されます。

      • 求められるスキルのイメージ:
        • 運用案件では障害発生時に原因を特定し、適切に対処するスキルが重要
        • ドキュメントを参照し、先輩に頼らなくても基本的な対策を試せる

      3 コミュニケーション力

      クライアントやチームメンバーとの意思疎通をスムーズに行うスキルは、SESにおいて非常に重要です。2年目になると議事録の作成や、簡単な仕様確認なども任されることがあります。

      • 求められるスキルのイメージ:
        • 1年目は指示待ちが多かったかもしれないが、2年目になるとプロジェクト内でのやり取りや議事録作成などにも関わることが期待される
        • チームの一員として主体的に動けるかを判断されやすい

      4 簡単なリーダーシップ

      小規模なタスクや新人メンバーのフォローを任される機会も出てきます。リーダー経験がない人でも、「自分より少し経験の浅い人」をサポートできるかどうかで、周囲の評価は大きく変わります。

      • 求められるスキルのイメージ:
        • 配属先によっては2年目でも新人のフォローを任されることがあり、ミニリーダー的な役割を期待される場面が増える
        • チームメンバーのタスク状況を把握し、スケジュール管理や軽いマネジメントに挑戦することで評価が上がる

      SES企業勤務2年目が年収を上げる方法

      「年収が平均より低い」と感じる人は、行動することで改善の可能性があります。以下は2年目でも実践可能な、現実的なステップです。

      1 スキルアップ・資格取得

      AWS認定、基本情報技術者、LPIC、CCNAなど、スキル証明となる資格の取得は単価アップに直結します。会社によっては資格手当や報奨金制度があるため、昇給への第一歩として有効です。

      • 2年目のうちに1~2個の資格を取得することで、次の案件単価アップや昇給を狙える
      • SES企業によっては資格手当や報奨金を支給する制度があるので、積極的に活用

      2 営業担当との交渉

      自分の希望を伝える場面では遠慮は不要です。「開発案件に行きたい」「○○万円以上の単価を狙いたい」など、率直な希望を伝えることが、より適切なアサインにつながります。

      • 「次の案件ではWeb開発経験を積みたい」「○○円以上の単価を希望する」と明確に伝える
      • 現状の自分の実力と案件単価が合っていないと思ったら、遠慮せずに相談し、還元率が適正かを確認

      3 スキルシートの更新とポートフォリオ

      スキルシートに「何ができるか」を明確に書くことで、営業担当が案件をマッチさせやすくなります。また、GitHubや技術ブログでのアウトプットも、将来的な転職に活きるアピール材料になります。

      • スキルシートを定期的に更新し、担当した案件や使った技術を明確に書き込む。案件をまたぐたびに忘れないよう記録する
      • プライベートでもGitHubやブログなどで成果物・技術的発信を行い、次の案件で評価されるようにする
      • 自己PRや転職活動の際に「2年目だけどこれだけの実績があります」とアピールできれば、年収交渉がしやすい

      SESの転職は難しい?優良なSES企業への転職方法

      SES企業の中には、還元率やキャリア支援に大きな差があるため、「今の会社では年収が伸びない」と感じた場合には転職も検討の余地があります。

      1 SES企業から同業種への転職は実は比較的容易

      実務経験1年以上のエンジニアを求めるSES企業は多く、2年目の若手はむしろ「ポテンシャル採用」で歓迎されます。転職によって年収が50万〜100万円アップするケースも珍しくありません。

      2 自社開発や受託開発への転職は?

      2年目での自社開発転職はやや難易度が高いものの、スキルと成果のアピール次第では十分に可能です。「どんな技術を使い、どう貢献したか」「チームでどう動いたか」を具体的に話せるよう準備しましょう。

      • 企画力や上流工程の経験、継続的なプロダクト改善スキルが求められる
      • 2年目での自社開発転職は不可能ではないが、面接で「SESで何をやってきたか」「どんな成果を出したか」を具体的にアピールする必要が高い

      3 優良SES企業を見極めるポイント

      転職を検討する際、そのSES企業が優良企業かどうか、必ずチェックが必要です。例えば下記を基準に企業を見極めていきましょう。

      採用サイトの情報だけでなくSNSやクチコミを活用し総合的に見ていくことが重要です。

      1. 還元率の透明性:研修費・交通費込みの数字ではなく、「実際に自分に入る金額」が明確かどうか
      2. キャリア支援体制:スキルアップの研修、資格支援制度、キャリア相談などが整っている
      3. 営業力と案件の質:要望に応じて案件を紹介してくれる営業体制があるか

      まとめ

      SES2年目の平均年収はおおよそ300万〜350万円とされており、自身のスキルや配属先によってはそれ以上も可能です。年収が平均より低いと感じた場合は、資格取得や案件交渉、リーダー補佐など、具体的なアクションを取ることで改善が見込めます。

      また、「この会社では限界かもしれない」と思ったときには、転職も前向きな選択肢です。還元率やキャリア支援が明確な企業を選ぶことで、より良い条件を手にすることができるでしょう。

      SES企業 還元率研究所
      大手SIerやITスタートアップでエンジニアとして15年勤務し、現在はエンジニア及びIT業界専門のライターとして活動するフリーランスが運営。SESに関心がある・SESの仕事に悩んでいる方向けに、SESの仕事内容や還元率の裏側、転職のコツなどを紹介します。
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