SESの評価、実は「客先」と「自社」で二重に見られている。給与が上がらない本当の理由
「現場では『よく頑張ってる』と言われるのに、なぜか給与には反映されない」
「自社の評価面談で何を基準に評価されているのか、正直よく分からない」
「現場の評価がどう自社に伝わっているのか、確認する術がない」
SESという働き方では、多くの場合「現場(客先)からの評価」と「自社からの評価」という、2つの異なる評価軸が存在します。この二重構造こそが、「頑張っているのに給与が上がらない」という感覚の正体であることが少なくありません。今回は、この二重評価の仕組みと、給与に反映されにくい理由、そして対処法を解説します。
SESの評価は「客先評価」と「自社評価」に分かれている
SESエンジニアは、実際に働く現場(客先)と、雇用契約を結ぶ自社という、2つの組織に同時に所属しているような状態にあります。日々の業務ぶりを直接見ているのは客先ですが、給与や評価を最終的に決めるのは自社です。この2つの評価が常にスムーズに連動しているとは限らず、むしろ多くの場合、客先の評価が自社に正確に伝わっていない、あるいは伝わり方が曖昧になっているという構造的な問題があります。
なぜ「現場での評価」が給与に反映されにくいのか
理由はいくつか考えられます。ひとつは、客先が自社に対して行うフィードバックが、業務報告や契約更新の可否といった形式的な情報に留まり、個人の頑張りの詳細まで共有されないケースが多いこと。もうひとつは、自社側の評価基準が、現場での実際の働きぶりよりも、契約単価や稼働率といった「会社にとっての数字」に寄りがちであることです。つまり、あなたが現場でどれだけ評価されていても、それが自社の評価制度の中でどう扱われるかは、また別の問題だということです。
「評価のギャップ」で損をしないために
- 現場での評価(感謝の言葉、成果、任された役割の広がりなど)は、自分自身で記録しておく
- 客先の担当者に、自社への業務報告に評価コメントを含めてもらえないか相談する
- 自社の評価面談で、記録しておいた現場での実績を具体的に伝える
- 自社の評価基準そのものが不透明な場合、その点を率直に確認する
現場での評価は、黙っていても自動的に自社へ伝わるものではありません。「伝える」という工程を自分から作りにいく意識が必要です。
それでも給与が上がらない場合に見るべきポイント
記録を残し、面談で伝えても給与に変化が見られない場合、原因は評価の伝達不足ではなく、自社の還元率や給与制度そのものにある可能性があります。契約単価に対して、実際に自分が受け取る給与の割合(還元率)を一度確認してみてください。還元率が不透明、あるいは著しく低い場合は、評価の伝え方を工夫するよりも、還元率を明確に開示している会社への転職を検討した方が、根本的な解決につながることもあります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 自社に還元率を聞いても教えてもらえません。どうすればいいですか?
A. 還元率の開示を拒む会社は、開示すること自体に不利な数字を抱えている可能性があります。他社の相場と比較しながら、開示に前向きな会社への転職も選択肢として検討してみてください。
Q2. 現場の評価を自社に伝えるのは、角が立ちませんか?
A. 事実に基づいた実績や成果を伝えることは、決して角が立つ行為ではありません。むしろ自分から発信しない限り、正確な評価情報は自社に届きにくい構造であることを踏まえると、伝える工夫は必要な自己防衛と言えます。
Q3. 評価面談の頻度が少ない会社の場合、どうすればいいですか?
A. 定期的な評価面談がない場合は、自分から面談の機会を依頼することも有効です。それすら難しい体制の会社であれば、そもそも評価制度自体が整っていない可能性が高いと考えられます。
まとめ:評価は「伝わる仕組み」まで含めて確認する
SESという働き方では、現場での頑張りが自動的に給与へ反映される仕組みにはなっていません。客先評価と自社評価の間にあるギャップを理解し、自分から実績を記録・発信する工夫をすることが、まず取れる対策です。そのうえで、それでも給与に変化が見られない場合は、自社の還元率や評価制度そのものを見直すタイミングかもしれません。






