AIがコードを書く時代に「代替される」SESエンジニアの共通点
「AIがコードを書けるようになったら、自分の仕事はなくなるんじゃないか」
「単純な保守作業ばかりで、このままでいいのか漠然と不安になる」
「上流の話には呼ばれず、いつも降ってきた仕様書通りに実装するだけ」
2026年、AIによるコード生成が実務レベルで当たり前になったことで、「エンジニアの仕事がなくなるのでは」という不安の声がSES業界でも広がっています。ですが、業界メディアの分析を見ると、実態は「仕事がなくなる」というより「価値の置き場所が変わる」という表現の方が近いようです。今回は、この変化の中で実際に代替されやすい働き方の共通点と、逆に価値が上がっている働き方を整理します。
「仕事が消える」は半分正しく、半分間違っている
2026年8月、IT専門メディア「@IT」に掲載された記事は、AIによるコーディング支援の広がりについて「仕事がなくなるのではなく、価値の所在が移動している」という論を展開しています。つまり、エンジニアという職業そのものが消えるのではなく、「どの作業に価値が認められるか」の中身が入れ替わっているということです。この視点は、SESという「作業の実行者」として評価されがちな働き方にいるエンジニアほど、意識しておく必要があります。
実際に縮小しているのは「判断を伴わない実装作業」
AIが得意とするのは、仕様がすでに明確になっている状態での実装や、既存コードの定型的な保守・修正です。裏を返せば、「何を作るべきか」「なぜそう設計するのか」といった判断を伴わない、CRUD処理の実装や定型的なバグ修正のような作業から、人手の必要性が薄れていく傾向にあります。SES案件の中でも、単独で保守フェーズだけを任されているようなポジションは、この変化の影響を受けやすい領域だと言えます。
代替されやすいSESエンジニアの共通点
- 要件定義や設計といった上流工程に一切関わっていない
- 渡された仕様書の通りに実装するだけの役割が長く続いている
- AI開発ツール(Cursor、Claude Codeなど)を実務で使った経験がない
- 担当領域が特定のレガシーシステムの保守のみに閉じている
これらに複数当てはまる場合、今のうちに担当範囲や関わり方を見直しておくことが、数年後の選択肢の広さに直結します。
逆に価値が上がっているのはどんな働き方か
反対に、AI時代において評価が上がりやすいのは、「何を作るか」「どう設計するか」を判断する側に立てる人材です。具体的には、要件定義や基本設計への関与経験、複数の技術選定肢の中から適切なものを選べる判断力、そしてAIツールを前提に開発フローを組み立てられる実務経験などが挙げられます。2026年8月時点のIT系エンジニアの求人倍率は3.3倍と高水準を維持していますが、これは「誰でも需要がある」という意味ではなく、「判断力を持つ人材への需要が特に強い」ことの裏返しでもあります。
今からできること
- 現在の案件で、上流工程に関わる機会を自分から取りに行く
- AI開発ツールを実務レベルで使いこなし、活用を前提にした働き方に慣れる
- 保守フェーズだけに閉じている場合、新規開発案件への異動を自社に相談する
- 自分の市場価値を客観的に把握し、判断力が求められる案件へ動けるか見極める
よくある質問(FAQ)
Q1. AIツールを使えないと、もう仕事がなくなるのでしょうか?
A. 即座に仕事がなくなるわけではありませんが、AIツールを前提にした開発フローが主流になるにつれ、使えないこと自体が選考や案件アサインで不利に働く場面は増えていくと考えられます。早めに触れておくことをおすすめします。
Q2. 保守案件しか経験がありません。今から上流工程の経験を積むにはどうすればいいですか?
A. まずは今の現場で、仕様変更の背景や意図を積極的に質問し、設計の議論に加わる機会を増やすことから始められます。それでも機会がない場合は、新規開発案件を多く扱う会社への転職も現実的な選択肢です。
Q3. 若手エンジニアは、この変化の影響をより強く受けますか?
A. 従来、若手は「実装をこなしながら経験を積む」ことでスキルを伸ばしてきましたが、その実装業務の一部がAIに代替されつつあるため、意識的に上流工程や設計判断に触れる機会を作らないと、経験を積む機会自体が減ってしまう可能性はあります。
まとめ:消えるのは仕事ではなく、作業の中身
AIがコードを書く時代においても、エンジニアという職業自体がすぐに消えるわけではありません。変わっているのは「何に価値が認められるか」という中身です。判断を伴わない実装作業に閉じている働き方は影響を受けやすく、逆に上流工程での判断力やAI活用を前提とした実務経験は、これまで以上に評価される時代になっています。今の自分の働き方がどちら側にいるのか、一度立ち止まって見直してみてください。






