はじめに:求人データの「数字」を鵜呑みにするな

転職サイトの求人数ランキングを見れば、どの言語が人気かは一目瞭然です。しかし、SESの現場で実際に働いているエンジニアなら気づいているはずです。「ランキング上位の言語なのに、なぜか高単価な案件が回ってこない」「人気と聞いたのに、現場は古いシステムばかりだ」—と。
実は、一般的な求人データと「SES市場のリアル」には大きな乖離があります。 本記事では、dodaの求人データをベースにしつつ、「案件が減っている」「実は古い現場が多い」「セットじゃないと稼げない」といった、SES企業還元研究所だからこそ言える「現場の生々しい声」を反映したランキングを解説します。
【徹底解説】人気プログラミング言語TOP10!現場のリアルな需要と単価事情

それでは、求人数データに基づいたランキングに、SES現場の「リアルな声」を加えて解説します。
第10位:Kotlin(コトリン)
求人件数:1,555件
- 特徴と歴史: 2011年にJetBrainsが開発。2017年にGoogleがAndroid公式言語に指定し、Javaからの移行が加速。シンプルでエラーを抑えた構文が特徴。
- SES現場のリアル: Androidアプリ開発の案件では、新規開発はほぼKotlin一択です。Java案件からの移行(リプレイス)需要も高く、「モバイルアプリをやりたいなら避けて通れない」必須スキルです。単価も安定しており、Java経験者がキャリアチェンジ先として選ぶには最適解の一つです。
平均年収(20代/30代): 516万円 / 656万円
第9位:Swift(スイフト)
求人件数:1,719件
- 特徴と歴史: 2014年にAppleがリリース。iOS/macOSアプリ開発のデファクトスタンダード。Objective-Cからの置き換えがほぼ完了しています。
- SES現場のリアル iPhoneユーザーが多い日本では需要が盤石です。Web系言語に比べて流行り廃りが緩やかで、一度習得すれば長く食っていける「堅実な言語」です。ただし、開発にはMac環境が必須のため、自己学習の初期投資(Mac購入)が必要な点は注意が必要です。
平均年収(20代/30代): 543万円 / 625万円
第8位:Ruby(ルビー)
求人件数:2,351件
- 特徴と歴史: 日本発の言語で「Ruby on Rails」により一時代を築きました。初心者人気が高く、スクールでもよく教えられています。
- ⚠️【警告】SES現場のリアルはっきり言います。「SES市場では案件がほぼありません」。 求人数は2,000件以上あるように見えますが、その多くは自社開発企業やスタートアップの直接採用です。SESの案件リストにRubyの高単価案件が回ってくることは稀で、あったとしても保守運用の安価な案件になりがちです。「未経験からRubyでフリーランス」という夢を見すぎると、SESでは案件にアサインされず苦労する可能性が高いです。
平均年収(20代/30代): 543万円 / 625万円
第7位:TypeScript(タイプスクリプト)
求人件数:2,765件
- 特徴と歴史: Microsoft開発のJavaScript上位互換言語。「型」の導入により、大規模開発での安全性を確保。モダンフロントエンドの主役です。
- SES現場のリアル 今、「最も伸びている」と言っても過言ではありません。ReactやVue.jsなどのフレームワークと組み合わせた案件が急増しており、単価もJavaScript単体に比べて高騰しています。JavaやC#などの静的型付け言語をやっていたサーバーサイドエンジニアが、フルスタックを目指して習得するのにも非常に適しています。
- 平均年収(20代/30代): 556万円 / 739万円
第6位:C++(シープラプラス)
特徴と求人件数:3,746件
- 特徴と歴史: 処理速度が求められるゲーム、金融システム、組み込み分野で活躍。
- SES現場のリアル「玄人(プロ)向け」の世界です。Web系のようなキラキラした案件は少ないですが、金融機関の勘定系や、ハードウェアに近い制御系など、代わりの効かない領域で根強い需要があります。学習コストは高いですが、一度習得して特定ドメイン(業界知識)と組み合わせれば、高単価で長く生き残れる「職人」になれます。
平均年収(20代/30代): 480万円 / 614万円
第5位:JavaScript(ジャバスクリプト)
特求人件数:5,598件
- 特徴と歴史: Webフロントエンドの王様。Node.jsによりバックエンドまでカバー範囲を拡大。
- SES現場のリアル「単体では単価が伸び悩みます」。 jQueryなどで動きをつけるだけのレガシーなJS案件は単価が安いです。稼げるエンジニアになる条件は、「JavaScript × TypeScript」の両軸使いになることです。さらにReact/Next.jsなどのモダンフレームワークを扱えて初めて、高単価エンジニアの仲間入りができます。「JSしか書けない」状態からは早急に脱却しましょう。
平均年収(20代/30代): 532万円 / 711万円
第4位:PHP(ピーエイチピー)
求人件数:5,862件
- 特徴と歴史: Webサイト構築、特にWordPress案件で圧倒的シェア。Laravelなどのフレームワークも人気。
- 【警告】SES現場のリアル「案件は減る一方です」。 求人数自体は多いですが、単価の低いWeb制作案件や、古いシステムの保守案件が中心です。新規の大規模開発ではGoやPython、Node.jsにシェアを奪われており、将来性は「斜陽」と言わざるを得ません。今からPHPをメインスキルとして習得するのは、SESエンジニアとしてのキャリア戦略上、あまりおすすめできません。
平均年収(20代/30代): 443万円 / 614万円
第3位:C#(シーシャープ)
求人件数:6,136件
- 特徴と歴史: Microsoft系業務システムやUnityでのゲーム開発で利用。
- SES現場のリアル「国の案件や古い現場が多い」のが特徴です。 官公庁や地方自治体、大手企業の基幹システムなど、Windows環境で動く大規模システムの需要は安定していますが、現場の体質は「堅い」「古い」傾向にあります。リモート不可の現場も少なくありません。「面白み」よりも「安定」を取りたい人向け。ただし、Unity(ゲーム開発)となると全く別のクリエイティブな市場になります。
平均年収(20代/30代): 442万円 / 598万円
第2位:Python(パイソン)
求人件数:7,747件
- 特徴と歴史: AI、機械学習、データ分析の覇者。Webアプリ開発でもDjango/FastAPIなどで利用。
- SES現場のリアル: AIバブルにより需要は爆発していますが、「実務経験の壁」が厚いのも事実です。 「スクールで勉強しました」レベルでは高単価なAI案件には入れません。SESで稼ぐなら、AIだけでなくWebアプリ開発(Djangoなど)の実務経験を積むか、クラウドインフラ(AWSなど)と掛け合わせて「AI基盤が作れるエンジニア」を目指すのが現実的な勝ち筋です。
平均年収(20代/30代): 550万円 / 796万円
第1位:Java(ジャバ)
求人件数:15,551件
- 特徴と歴史: 世界中の基幹システムを支える絶対王者。
- 💡SES現場のリアル: なんだかんだ言っても、「Javaができれば食いっぱぐれない」は真実です。 金融、物流、公共インフラなど、絶対に止まってはいけない大規模システムはJavaで動いています。案件数が桁違いに多いため、現場を選ばなければ仕事は無限にあります。まずはJavaで堅実に経験を積み、そこからKotlinやGoなどのモダン言語へシフトしていくのが、SESエンジニアの王道キャリアパスです。
平均年収(20代/30代): 527万円 / 710万円
ランキングだけで見えない!SESエンジニアが「稼ぎ続ける」ための言語戦略

ここまで見てきた通り、求人数の多さがそのまま「SESでの稼ぎやすさ」に直結するわけではありません。 Rubyのように「人気はあるがSES案件がない」言語や、PHPのように「求人はあるが単価が低い」言語も存在します。
SESエンジニアが勝つための鉄則
1 .「Java」で守りを固め、「TypeScript」や「Go」で攻める 需要の底堅い言語を軸にしつつ、単価の高いモダン言語をサブウェポンとして習得する。
2 .「単体」ではなく「組み合わせ」で売る 「JavaScript」単体ではなく「TS × React」。
3 .「Python」単体ではなく「Python × AWS」。掛け合わせが市場価値(単価)を跳ね上げます。
4 .「業界(ドメイン)」を選ぶ C#で堅い官公庁系に行くのか、KotlinでBtoCアプリに行くのか。言語選びは、あなたが「どんな環境で働きたいか」を選ぶことと同義です。
まとめ:データを疑い、現場の「金脈」を掴め

2025年上半期、SES市場で本当に稼げるのは、ただコードが書けるエンジニアではありません。「どの言語が今、現場で高く買われているか」という相場観を持ち、戦略的にスキルセットを変化させられるエンジニアです。
古い情報やスクールの宣伝文句に踊らされず、現場のリアルな需要を見極めてください。 SES企業還元研究所では、あなたの現在のスキルセットから「最短で年収を上げるための言語戦略」を診断・提案しています。
今の言語で本当にいいのか迷っている方は、ぜひ一度ご相談ください。






