「今のSES企業にいて、将来本当に大丈夫だろうか?」「3次請けのテスターばかりで、スキルが伸びている気がしない」SESエンジニアとして働いていると、ふと将来への不安に襲われることがあります。 結論から言えば、その不安は的中しています。
2026年現在、IT業界の二極化は進む一方です。戦略なくSES企業(特に下請け構造の深い企業)に居続けることは「年収の停滞」と「市場価値の低下」という二重のリスクを抱え、最悪の場合、30代でキャリアが詰む(転職先がなくなる)ことになります。
本記事では、SESエンジニアが直面するリスクの正体と、そこからの「4つの脱出ルート」について、「求められるスキルセット」や「年齢制限のリアル」を交えて徹底解説します。
(自分の適正年収が気になる方は、[SES企業の平均年収はいくら?]もあわせてご覧ください。)
はじめに:SES に「居続ける」ことの最大のリスクとは?

誤解しないでいただきたいのは、「SESという働き方」自体が悪いわけではありません。 問題なのは、「商流の深い(3次請け・4次請け)SES企業」に長く居続けることです。
なぜなら、多重下請け構造の末端にいることは、エンジニアにとって以下の致命的なデメリットをもたらすからです。
① 年収が停滞する(構造的な搾取)
間に多くの会社が入るため、各社にマージン(手数料)が抜かれます。 その結果、顧客が払った単価が100万円でも、あなたの手元に届く頃には50万円以下になっていることも珍しくありません。この構造の中にいる限り、いくら努力しても給料は上がりません。
② スキルが身につかない(タスクの切り出し)
下流工程では、設計などの思考プロセスは上位会社が完了しており、「言われた通りにコードを書く」「テスト項目を消化する」といった単純作業がメインになりがちです。 これでは、30代以降に求められる「要件定義」や「基本設計」の経験が積めず、年齢だけ重ねた未経験者になってしまいます。
③ 「指示待ち人間」になる(マインドの低下)
言われたことだけやる環境に慣れきってしまうと、市場価値の高い「提案型エンジニア」への道が閉ざされます。これを「茹でガエル」状態と呼びます。
(SESの商流や契約形態の仕組みについては、[SESとは?図解でわかる契約形態]で詳しく解説しています。)
メガベンチャー・自社開発企業への転職

「やっぱり憧れの Web 系自社開発に行きたい」 そう考えるエンジニアは多いですが、採用基準は年々厳しくなっています。
ルート①:2026年版・求められる「5 つの技術要件」
メガベンチャー(売上 500 億以上、社員 500 名以上クラス)が求めるレベル感は以下の通りです。
1.クラウド(AWS/GCP)の設計・構築経験
2.Web フレームワーク(Rails, Laravel, Spring 等)の深い理解
3.CI/CD 環境の構築・運用経験4.コードレビューの実施経験
5.アジャイル/スクラム開発の経験
「今の現場では無理だ」と思った方も諦めないでください。 いきなりメガベンチャーに行けなくても、「修行ができる中堅 SES や受託開発企業」をワンステップ挟むことで、2〜3 年後に到達することは十分に可能です。
ルート②:大手 SIer(プライムベンダー)への転職
「安定して高年収を得たい」「大規模システムに関わりたい」 そんな方には大手 SIer がおすすめです。実は、下請け SES から大手 SIer への転職事例は数多く存在します。
20 代なら「現場リーダー経験」で勝てる
大手 SIer は、20 代であれば「ポテンシャル」を重視します。 技術力そのものよりも、「顧客との折衝経験」「リーダー経験(規模は小さくても OK)」が評価されます。 「自分で手を動かして開発もしたいが、将来はマネジメントも視野に入れている」という姿勢を見せることが重要です。
30 代の壁:「要件定義」と「予算管理」の壁
30 代になるとハードルが一気に上がります。 求められるのは「要件定義」や「数千万円規模のプロジェクトマネジメント(予算管理含む)」の経験です。 30 代でこれらが未経験の場合、大手 SIer への転職は厳しくなります。だからこそ、20 代のうちに少しでも上流工程に関われる環境へ移ることが生存戦略となります。
ルート③:ワンランク上の「優良 SES」へ移籍
「管理職になりたいわけではない」「まだ技術を磨きたい」 そんなエンジニアにとって、実は「商流の浅い(エンド直・2 次請け)優良 SES」が最適解になるケースがあります。
大手 SIer や自社開発に行くと、どうしても会議や調整業務が増え、コードを書く時間が減りがちです。 一方、技術力のある優良 SES であれば、「手を動かしながら上流工程(設計・構築)にも関わる」という美味しいポジションを狙えます。 商流が浅くなれば、それだけで年収が 100万〜150 万アップすることも珍しくありません。
ルート④:フリーランスへの転身
「会社に縛られず、自由に稼ぎたい」 フリーランスは魅力的な選択肢ですが、落とし穴もあります。
【警告】フリーランスになって年収が「下がる」45%の人たち
ある調査では、フリーランス転身後に「年収が下がった・変わらない」と回答した人が約 45%に上ります。 これは、会社の看板が外れ、 「純粋なスキル単価」で評価された結果です。特に、レガシーな技術しか持っていない場合、エージェント経由で案件が見つからず、足元を見られるケースがあります。
35 歳以上がフリーランスに向いている理由
逆に、 35 歳以上で十分なスキルと人脈がある場合、フリーランスはリスクヘッジになります。 正社員市場では「35 歳の壁(マネジメント経験必須)」がありますが、フリーランス市場では「即戦力」であれば年齢はさほど問われません。 正社員として伸びしろ(昇給)が限界に来たタイミングで、フリーランスとして単価を最大化するのは賢い戦略です。
「今の現場では無理だ」と思った方へ
諦めるのはまだ早いです。 いきなりメガベンチャーに行けなくても、「修行ができる中堅SESや受託開発企業」をワンステップ挟むことで、2〜3年後に到達することは十分に可能です。 焦らずに「経験が積める環境」への転職をまずは目指しましょう。
まとめ:あなたの「現在地」から逆算した戦略を

エンジニアのキャリアに正解はありませんが、「詰むパターン」は存在します。 それは、思考停止で今の環境に居続けることです。
20 代: ポテンシャルを活かして、大手やメガベンチャーに挑戦する。
スキル不足: 優良 SES で「修行」し、市場価値を上げる。
30 代以上: マネジメントかスペシャリストかを見極め、フリーランスも視野に入れる。
自分の年齢とスキルセット(現在地)を正しく把握し、逆算してキャリアを選び取ってください。もし一人で判断が難しい場合は、SES 企業還元研究所のキャリア相談をご利用ください。あなたの市場価値を診断し、最適なルートを提案します。






