「自分は天才肌じゃない。頭の回転も早くない凡人だ」
「同期のあいつは、いつも定時でスマートに質の高いコードを書き上げるのに、自分はエラーばかり……」
IT業界で働き始めると、必ずと言っていいほど直面する「才能の壁」。特に未経験からエンジニアになった人や、SESの現場で強いプロパー(自社開発エンジニア)に圧倒されている人は、自分のセンスのなさに絶望したことがあるはずです。
こんにちは。大手SIerやITスタートアップでエンジニアとして15年勤務し、現在はIT業界専門のフリーランスライターとして活動している私が、今回も現場のリアルをお話しします。
これまで数え切れないほどのエンジニアと同じ現場で揉まれてきましたが、断言します。凡人が優秀なエンジニアに追いつき、追い越す(下剋上する)方法は確実に存在します。
それは、最新のフレームワークを学ぶことでも、スマートな仕事術を身につけることでもありません。3周回って出た結論。それは「圧倒的な物量(量)でのゴリ押し」です。
「なんだ、ただの残業推奨の根性論かよ」と思った方、少し待ってください。これは単なる精神論ではなく、凡人が勝つための極めてロジカルな「生存戦略」の話です。
1. 【現場のリアル】スマートさを求めた凡人が陥る「効率化の罠」

私がSIer時代に見てきた、ある新規開発プロジェクトでの実話です。その現場には、2年目のエンジニア3人がアサインされていました。
| タイプ | 特徴 |
|---|---|
| A君(秀才タイプ) | 理解が早く、コードを書くのも早い。常に定時で仕事を終わらせる。 |
| B君(凡人タイプ・泥臭い) | 手が遅く、エラーも多い。しかし、人の何倍もコードを書き、バグを潰し、終電まで残ってでも絶対にタスクを終わらせる。 |
| C君(凡人タイプ・効率重視) | A君に憧れ、「残業でゴリ押しするのは時代遅れでスマートじゃない」と考え、いかに効率よく(テストを間引く等して)定時で終わらせるかに頭を使う。 |
数ヶ月後、彼らはどうなったか。
秀才のA君は当然として、なんと泥臭かったB君が、A君と肩を並べる「優秀なエンジニア」へと変貌していました。
一方、効率を求めたC君は、テスト不足によるバグを連発し、結局A君とB君に尻拭い(残業)をさせる羽目になりました。
なぜ、C君は負けたのか?
それは、「量(経験値)が足りていない凡人が、いきなり効率化を求めたから」です。経験の浅いうちに「効率化」に逃げると、テストすべき急所や、要件定義で聞くべき本質が見抜けず、結果的に「ただ手抜きをしただけ」の低品質なアウトプットになります。
凡人が最初から秀才と同じ「効率」で戦おうとすれば、秒で詰みます。凡人のスタートラインは、圧倒的な量をこなして「正解のパターン」を体に叩き込むことしかないのです。
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2. なぜ「物量でのゴリ押し」が凡人にとって最強の戦略なのか?

では、なぜB君のように「物量(量)で勝負する」ことが、凡人がエリートに勝つための最強の戦略なのでしょうか。その理由は4つあります。
理由①:誰でもできる「唯一の再現性がある方法」だから
才能やセンスは真似できません。しかし「量」なら誰でも増やせます。優秀な同期があなたの1.5倍の成果を出すなら、あなたはシンプルに「1.5倍の量」を書けばいい。勝負のルールを「センス」から「フィジカル(体力)」に強制的に引きずり込むことで、凡人でも確実に勝負の土俵に立てます。
理由②:「量」をこなすと「質」が倍速で上がるから
これが最大のメリットです。コードの量、テストの量、先輩への質問の量。これらを泥臭くこなしていると、ある日突然「あ、このエラーはあのパターンだ」「この実装ならここをテストすべきだな」と勘所がわかるようになります。
量が質に転化するのです。一度この状態に達すれば、フィジカルでゴリ押ししなくても、秀才と同じように「通常運転」で高いパフォーマンスが出せるようになります。
理由③:IT業界は「プロセス」ではなく「結果」で評価されるから
学校では「スマートに解けたか」が評価されるかもしれませんが、ビジネスの現場は違います。天才が1時間で書いた美しいコードも、凡人が徹夜して泥臭く書き上げたコードも、「動いてバグがない」という結果が同じなら、現場での評価は全く同じです。結果さえ出せば、あなたは「できるエンジニア」として扱われます。
理由④:働き方改革の今、コスパが異常に高いから
現代はコンプライアンスやワークライフバランスが重視され、残業や泥臭い努力を嫌う人が増えました。だからこそ、「あえて量をこなす(物量でゴリ押しする)若手」は現場で異常なほど目立ち、重宝されます。周りが量をこなさない分、少しゴリ押しするだけで一気に集団を抜け出し、トップ層に躍り出ることができるのです。
3. ただし注意!物量勝負は「20代・若手」だけの特権
この「物量戦略」には、残酷なタイムリミットがあります。それは「体力と時間が無限にある若手(20代〜30代前半)のうちしか使えない」ということです。
35歳を超えれば体力は落ち、無茶はきかなくなります。結婚や子育てなどライフステージが変われば、仕事に全振りすることも難しくなります。また、年次が上がれば「量」だけでは解決できない高度なマネジメントやアーキテクチャ設計のタスクが降ってきます。
だからこそ、体力と時間がある若手のうちに「倍速の経験」を積み、いち早く「量が質に転化した状態(=優秀なエンジニアの領域)」に到達しておかなければならないのです。
⚠️ 「思考停止」のゴリ押しは最悪の悪手
もう一つの注意点は、「何も考えずにただ残業する(思考停止)」のは絶対にNGだということです。「量をこなす → 理解が深まる → 効率化する」というステップを踏まなければ、30代になっても40代になっても「残業でしかカバーできない非効率なエンジニア」のまま終わります。
4. 【まとめ】SESという環境を「精神の修行場」として使い倒せ

もしあなたが今、「自分は凡人だ」と悩んでいるなら、変にスマートさを気取るのはやめましょう。まずはコードを書き、テストを叩き、恥をかきながら質問しまくる「圧倒的な量」をこなしてください。
SES(客先常駐)という働き方は、多種多様な現場に放り込まれ、様々な技術や厳しい納期に揉まれるため、「若手のうちに強制的に量をこなし、経験値を爆上げする」には実は最適な環境です。
そして、泥臭い努力の末に「量が質に転化」し、秀才エンジニアたちと肩を並べる実力がついた時。その時こそ、あなたの本当の市場価値(単価)をピンハネせずに100%還元してくれる「高還元SES企業」へとステップアップする絶好のタイミングです。
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