毎朝、満員電車に揺られて客先へ常駐する日々。「いつかはフルリモートで、自宅から快適に働きたい」――そう願っているSESエンジニアは多いのではないでしょうか。
しかし、コロナ禍を経て働き方が再び見直されている2026年現在、「SESエンジニアがフルリモートで働くこと」は、すでに当たり前の選択肢ではなくなっています。
この記事では、数多くのエンジニアの転職を支援してきたプロフェッショナルの対談を元に、フルリモート市場の残酷な現実と、それでもリモートで生き残っている人の特徴、そして若手エンジニアが取るべき「本当のキャリア戦略」について深掘りしていきます。
2026年現在、SESのフルリモート案件は激減している

結論から言うと、現在でもフルリモートで働いている人はいますが、その数は急激に減少しています。データで見ても、ピーク時に比べてリモート案件は3割近く減っているのが現状です。
SESは「クライアントワーク(客先常駐)」が基本です。世の中の企業がオフィス回帰へと舵を切る中、常駐するエンジニアだけがフルリモートを貫くのは構造的に難しくなっています。
「表向きはリモート、実は地方NG」の裏事情

求人票や面談では「基本フルリモートです」と言われても、実は「何かあった際にすぐ出社できる距離に住んでいる人(地方NG)」という隠れた条件が設定されているケースが急増しています。
かつて「外国籍NG」という裏の条件があったように、今は「地方在住NG」が業界の暗黙の了解になりつつあります。「フルリモート希望」を条件にした途端、アサインできる案件の幅は絶望的なまでに狭まってしまうのです。
それでもフルリモートで生き残っている人の「3つの特徴」


厳しい市場環境の中でも、フルリモートを継続できているエンジニアは確かに存在します。彼らには、決して偶然ではない「明確な共通点」があります。
特徴①:圧倒的な「自走力(スキル)」がある
一人で自宅にいる環境でも、確実に進捗を生み出せる高い技術力が大前提です。「目に見える成果」を出し続けられなければ、クライアントはリモート勤務を許可しません。
特徴②:出社時以上の「テキスト・コミュニケーション力」がある
フルリモートで最も求められるのは、ただ明るく話せることではありません。「仕事として成立するコミュニケーション」です。
「いつ・どこで・誰が・何を(5W2H)」を明確にテキストで伝えられる。
チャットのレスポンスが10分〜15分以内で、常に状況を可視化している。
呼ばれなくても、必要な会議には自ら参加し、能動的に報連相ができる。
リモート環境では、出社時よりもコミュニケーションのスピードと質を「意識して数段上に引き上げる」必要があります。これができない人は、すぐに現場を外されてしまいます。
特徴③:「単価(年収)」を数十万円下げて妥協している
これが最もシビアな現実です。 例えば、本来「単価80万円」のスキルを持つエンジニアが、「フルリモート」という条件を死守するために、あえて「単価60万円」の案件に応募してくる現象が起きています。 つまり、実力相応の給与をもらっている人がフルリモートを希望しても、「年収を大幅に下げてでもリモートがいい」というオーバースペックなライバルに負けてしまうのです。
💡 あわせて読みたい
フルリモートによる単価ダウンを防ぐためにも、まずは「自分の適正な単価と還元率」の仕組みを正しく知ることが重要です。以下の記事で詳しく解説しています。
なぜ「若手エンジニア」にフルリモートをおすすめしないのか?


キャリアのプロとして断言します。若手エンジニアが「フルリモート」を大前提にキャリアを組むことは、絶対におすすめしません。
成長スピードが圧倒的に鈍化する
若手のうちは、現場で先輩の隣に座り、質問しながら業務を進め、職場の空気感や「ビジネスの当たり前」を肌で感じることが最も重要です。 フルリモートではこの「偶発的な学び」が一切失われます。分からないことを聞くハードルが上がり、成長スピードは出社しているエンジニアと比べて絶望的なほど遅れをとります。
💡 あわせて読みたい
スキルが停滞してしまうと、誰でもできる「ロースキル案件」から抜け出せなくなってしまいます。若手が成長するための立ち回り方は、こちらの記事を参考にしてください。
キャリアの代償が大きすぎる
フルリモートを最優先事項にすると、「年収アップ」「スキルアップ(モダンな開発環境)」「やりがいのあるプロジェクト」など、エンジニアとして本来追うべきものを全て捨てなければならなくなります。 「数百万単位の年収ダウン」を受け入れてまで、フルリモートにこだわる価値が今のあなたにあるでしょうか?
家族の理解と、一人で悩まないキャリア戦略
実は、「本人は出社して成長したいけれど、家族(配偶者など)から『今までずっと家にいたんだから、次もフルリモートの案件にして』と懇願されて板挟みになっている」というエンジニアが非常に増えています。
市場の厳しい現実と、家族の要望とのギャップに苦しみ、メンタルを病んでしまうケースも少なくありません。 まずは、この記事で紹介したような「今のSES市場のリアルな状況」を、ご家族にしっかりと共有し、理解してもらうことが大切です。
「出社できる会社」を探す勇気を持とう
もし今、あなたがフルリモートで働いていて、スキルの停滞や体のなまりを感じているなら、「このままでいいんだ」と安心するのではなく、「やばい、出社できる環境へ切り替えないとキャリアが終わる」と危機感を持つべきです。
まとめ:フルリモートを「目的」にするのはやめよう


2026年、フルリモートは「優秀なエンジニアに与えられる特権(結果)」であり、「働き方の前提条件」ではありません。
「自分のキャリア戦略、このままで大丈夫だろうか?」 「年収と働き方のバランスをどう取ればいいのか分からない」 「家族の要望もあって、どう動くべきか迷っている」
そんな悩みを抱えている方は、一人で考え込まず、ぜひプロのキャリアエージェントにご相談ください。
現在の市場動向をふまえ、あなたが本当に歩むべきキャリアプランを一緒に考えます。必要であれば、ご家族も交えてのオンライン面談も大歓迎です。
あなたの貴重なエンジニア人生を、間違った選択で終わらせないために。 最短当日〜翌日には、プロのアドバイザーがお話をお伺いします。















